~あなたは東海第二発電所の現状を知っていますか~
概要
担当 | 佐和ブロック |
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事業名 | 5月例会【未来への安全確認】~あなたは東海第二発電所の現状を知っていますか~ |
開催日 | 平成25年5月10日(金) |
時間 | 20:00~22:00 |
場所 | ひたちなか商工会議所会館5階500号会議室 |
参加人員 | 会員56人、オブザーバー2人、事務局1人、計59人(予定人数:約50人) |
内容
日本原子力発電株式会社 東海事務所 所長 門谷光人さん、副長 矢沢和之さん、渉外グループマネージャー 斎藤幸樹さんを講師にお迎えして、東日本大震災時の東海第二発電所の状況やその対応、安全対策をどのように行っているのか。さらに、電力エネルギー事情や原子力発電所に関するお話しをしていただきました。原子力発電所の仕組みや放射能について、少しでも皆さんの知識を深める事が出来たかと思います。
講演内容
原子力発電の仕組み:発電所構造の基礎について、更には混同しがちである原子力発電と原子爆弾の違い、放射能と放射線の違いについて説明を受けた。報道等では、放射線について過剰な反応を見せているが、放射線は自然界に存在するもので誰もが日常生活で体内に取り組んでいるという事を認識する必要があるという。放射線を浴びる事による体内への影響(被ばく)は、国の基準値内であればリスクは低く、また、発祥した事例も確認されていない。発がんリスクは、放射線による影響よりも、日常生活における生活習慣による影響が大きく問題であり、放射線に過剰に反応するのではなく、原発事故も含めた日常生活全体を冷静に判断する必要がある。
東北地方太平洋沖地震発生直後の東海第二発電所の状況及び安全対策強化の取り組みについて:地震発生直後東海第二発電所は緊急自動停止した。その後5M超の津波が押し寄せ敷地内に進入し、非常用発電機3機の内1機が使用出来なくなった。当発電所は津波対策用の防護壁を建設するなどの対策を震災以前より講じていたが、防護壁の最終工事中に地震が発生したため今回浸水を許してしまった。震災によって多少被害は出たが、最小限に留める事が出来た。今後は、建屋の防護壁だけでなく、津波自体をシャットアウトする防護壁の建設が検討されている。更には、非常用発電機の代替発電機の専用車を配備し、二重三重の対策を取る計画だという。
エネルギー事情と原子力発電の現状他/原子燃料サイクルと放射性廃棄物処理処分/地球温暖化問題:冒頭、日本のエネルギーの現状について説明が成された。日本のエネルギー輸入依存度は96%と圧倒的に輸入比率が高く、安定的な資源確保が望まれるが、原油やLNGの多くは中東に依存するなど極めて地政学的リスクが高い現実を認識する必要がある。また、エネルギー調達のほとんどを海外に依存する事で、為替による影響を避けられず、企業の経済活動や家計に大きな負担が生じる可能性がある。それらを回避させるためにも、原子力発電を維持する必要があるという。次に、原子燃料サイクルと放射性廃棄物の処理方法について説明が成された。次に地球温暖化問題について説明が成された。CO2が地球温暖化に直接影響を与えているかどうかは分からない点は多々あるという。第二次世界大戦後CO2排出量とCO2濃度は格段に高まったが、平均気温はそこまで急激に変化しているわけではなく、直接因果関係があるのかを結び付ける事は出来ないという。最後に新エネルギー導入への課題について説明が成された。環境への負荷の低減を考えると、新エネルギー導入は必要な事であるが、それには多額の費用を要する事を念頭に入れる必要がある。例えば、原発一基分を廃炉にした場合、それを補うためにはメガソーラー数として5,800ヶ所必要だという。その事からも、過度に新エネルギーに期待するのではなく、既存エネルギーと新エネルギーのバランスを取る事が大切である。(事務局:萩谷直裕)
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委員長所見
今年度、最初の例会なので定刻開始、定刻終了に努めましたが定刻を過ぎてしまい申し訳ありませんでした。懇親会では講師の方にも参加して頂いて有意義な時間を過ごせたと思います。多数の会員の皆様にご参加いただきありがとうございました。